葉酸はまだまだ不足 |
●葉酸は、赤血球や細胞の新生に必須のビタミンです。 また、ビタミンB12は葉酸が遺伝情報を伝える成分を合成するときに補助します。 ビタミンCは、葉酸が体の中で働くために、活性型に変換してくれます。 葉酸が不足すると、悪性貧血、胃や腸の潰瘍、胎児の脳形成不全、赤ちゃんの発育不全、抵抗力低下、動悸、息切れ、口内炎、神経過敏、うつ状態、健忘症などが起こります。 お酒を大量に飲む方や、アスピリン、ピルなどを飲んでいる場合は不足しやすくなります。 葉酸は、レバー50gに150マイクログラム含まれているのを筆頭に、牛肉、豚肉、ほうれん草、ジャガイモ、大豆、アスパラガス、インゲン豆、サツマイモ、ブロッコリー、メロン、トウモロコシ、キャベツなどに含まれています。 一日の所要量は(アメリカでは)すべての女性は400マイクログラムですが、これより遙かに多く摂取すべきであると言えます。最低でもこの2倍の量は必要と言われています。過剰症も特に心配はないようです。 ●栄養強化されている穀物にも、葉酸はまだ不足新しくアメリカ政府が発表した食品の葉酸強化に関する要請書で設定されている強化量は、心臓病のリスクを防ぐという観点ではあまりに少ない、と、研究者たちがリポートしています。 全米食品医薬品局(FDA)は今年、小麦粉とパスタを栄養強化し、一人あたり1日100マイクログラムを摂取できるようにすべし、という要請を出しはじめました。FDAが望んでいるのは、二分脊椎症(神経管閉鎖障害)という先天性の病気を防ぎたい、ということです。脊髄の発達のためには、妊娠の第一週に葉酸が必要となるのです。 葉酸はまた、ホモシステイン(食物代謝の副産物で血管を傷つけるもの)のプラズマ・レベルを低く抑える作用もあるので、医師たちは、このポリシーが、心臓病のリスクも低く抑えてくれるのでは、と期待していました。でも新しい研究によると、これでは(葉酸のみでは)その効果は期待できません。 ポートランドにあるオレゴン・ヘルス・サイエンス大学のマヌエル・マリナウと彼の同僚たちは、心臓病をかかえた75人の男女を対象に、15週間にわたって、葉酸とホモシステインとの関係を研究しました。 1日あたり127マイクログラム(の葉酸)(FDAの新しいポリシーに従った場合におよそ該当する量)を含むシリアルを食べた人たちは、葉酸のレベルは31%上がりましたが、ホモシステインのレベルは、3.7%しか下がりませんでした。これでは血管のダメージを防ぐのには充分とは言えません。 499マイクログラム強化タイプ、そして665マイクログラム強化タイプのシリアルで実験したところ、それぞれ11%と14%、ホモシステインを減らすことができた、と、ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディスンには書かれています。 そしてそれに付けられた社説の中で、センターズ・フォア・ディジーズ・コントロール・アンド・プリヴェンション(病気のコントロールと予防のためのセンター群)のゴドフリー・オークリーは、政府が勧告した最低基準は先天性の病気を防ぐのにも少なすぎる可能性がある、と述べています。“この新しいデータを、栄養強化のレベルを上げなければならないことを示す根拠とみなすべきだ”と彼は書いています。 葉酸摂取についての問題点をまとめてみました。 1・調理などで失われやすい
ホモシステイン ・ 葉酸について ・ 女性は葉酸を摂らなければダメ ・ 高血圧の原因_4を参照。 |