高血圧について


高血圧治療ガイドライン


“高血圧治療のガイドライン”を追加しました。(2009年7月)
健康診断などで得られた数値を当てはめてご確認ください。


日本高血圧学会 「高血圧治療ガイドライン 2009」より抜粋

              血圧分類

リスク層                
(血圧以外のリスク要因)          
正常高値血圧
130-139/
85-89mmHg
T高度血圧
140-159/
90-99mmHg
U高度血圧
160-179/
100-109mmHg
 V高度血圧
≧180/
≧110mmHg
リスク第一層
(危険因子がない)
付加リスク
なし
低リスク 中等リスク 高リスク
リスク第二層
(糖尿病以外の1・2個の危険因子、メタボリックシンドロームがある)
中等リスク 中等リスク 高リスク 高リスク
リスク第三層
(糖尿病・慢性腎臓病・臓器傷害/心血管病、3個以上の危険因子のいずれかがある)
高リスク 高リスク 高リスク 高リスク




高血圧について(本態性高血圧)

 高血圧(本態性高血圧)は、成人病(生活習慣病)の根元的な症状です。
 
高血圧にならないように生活習慣を保つ事ができれば、他の成人病(生活習慣病)になるリスクは劇的に低下することになります。

 本態性高血圧は高血圧患者数全体でみれば約9割を占めます。
 残りの1割の患者数は二次性高血圧と呼ばれるものです。これはその原因が生活習慣に起因しないもので、原因がはっきりと特定することができるタイプの高血圧です。


高血圧の原因_1

 塩分捕りすぎ、というよりカリウム不足による血液中のナトリウム分が多くなるため、それを薄めるようと水分が増加するため、水増しされた血液を血管に流そうとするので圧力が増える。または血管細胞にナトリウムが蓄積すると、その細胞が浮腫(むくみ)をおこし、血管壁が膨らむため、血液の通り道が狭くなる。と言われています。 高血圧の原因を突き止めないで、ただひたすら塩分を控えては、あまり塩分を摂取していないときに、逆にナトリウム不足も心配されるケースもあるとのこと。

 塩分捕りすぎの場合の対策は、特にカリウムとマグネシウムを多く摂取することを考ることです。
 この他に、良質タンパク質、カルシウムマグネシウムを積極的に摂取することが望まれます。
 カリウムはナトリウムと拮抗し、細胞でのナトリウム排泄に関係し、ナトリウム過多による浮腫を軽減してくれます。
 マグネシウムは、細胞でのイオンポンプ作用には無くてはならない働きをします。

 これらの栄養素を摂取することにより、余分な塩分の腎臓からの排泄がスムーズに行われることになります。また、α-リノレン酸(シソ油、えごま油、あまに油、菜種油(キャノーラ油)の順で多く含まれています。)を摂取することにより、EPAという魚にも含まれる油が合成されることにより、血液がさらさらになり、動脈硬化の予防になります。

 カリウムは野菜やくだものに多く含まれます。とくに干し柿やトマト(ジュース)、アボガド、さつまいも、リンゴ、大豆などに豊富です。

 充分摂取しているつもりでも、塩分が多すぎたり、ストレス、下痢、コーヒー、酒、甘い物などは、カリウムの排出を促します。糖尿病でもカリウム不足になりやすくなります。夏場に汗をかくと夏ばてになってしまいますが、この原因も汗と一緒にカリウムが排出されることによる、低カリウム血症がその原因であるかもしれません。カリウムは筋肉でのエネルギー代謝にかかわっています。



高血圧の原因_2

 血管壁がかたくなり(動脈硬化の一つ)血管が膨らまないため、心臓がドクンと血液を送り出したとき、圧力が上がってしまう。血管壁が堅くなる理由は、血管細胞などへのカルシウム沈着。いわゆる石灰化です。

 筋肉の収縮・弛緩の際は、筋小胞体というタンパク質がカルシウムイオン濃度を調整しています。小胞体はカルシウムイオンの貯蔵庫であり、筋肉はこの小胞体からカルシウムイオンが筋細胞の中へ送り出されると収縮します。また弛緩するときは、筋細胞から小胞体へとカルシウムイオンを運び込まなければなりません。濃度の薄いところからより濃度の高いところへ運ぶわけですからポンプ作用になるわけです。ポンプですから当然エネルギーを必要とします。このエネルギーはATP(アデノシン三リン酸)から得ることになりますが、このときには「マグネシウムイオン」が無くてはエネルギー生産に支障をきたします。マグネシウムイオンが不足してくると、カルシウムイオンを小胞体へ運ぶことが困難となり、カルシウムイオンが細胞内へ蓄積することになります。こうなると細胞内のカルシウムイオンの濃度を薄めるために細胞内へ水分が多く取り込まれるようになりますが、この状態をいわゆる水太り状態つまり、細胞浮腫といいます。


 この場合の対策は、マグネシウムを多く摂取することです。 このときは、医者でどんな薬が処方されているか確認が必要です。医者では、原因はほっておいて高血圧の薬として、心臓の送り出す力を弱めてしまい、結果的に高血圧を抑えるというような事も行われているようです。これでは、血液循環がますます悪くなり、あちこちに障害が併発し、こんどは違う薬をまたもらうということの繰り返しになってしまいます。

 マグネシウムは、カルシウムと拮抗します。カルシウムが筋肉に緊張しなさいと信号伝達に働きますが、マグネシウムは細胞の中に信号伝達に入ったカルシウムを細胞の外にくみ出す働きがあります。


高血圧の原因_3 コレステロール参照

 LDL(属にいう悪玉コレステロール)がHLDより遙かにおおくなり、また、血管壁が活性酸素などの攻撃で傷が付いていたりすると、その傷を修復にLDLが張り付いて修復されます。ここまではとくに異常ではありませんが、LDLが血管の中で活性酸素の攻撃に出会うと、コレステロールを包んだリポタンパクが壊れ、中のコレステロールが血液中にばらまかれます。コレステロールは油ですので、血液に溶けません。そこで、マクロファージや平滑筋細胞というのが、この油(コレステロール)を掃除にやってくるのですが、LDLが多い状態ですとマクロファージや平滑筋細胞が「食べ過ぎ」となり太った細胞(泡沫細胞)が血管の壁へへばりつくことになります。これが、アテロームという粥状突起というもので、血管の有効断面積が減るため(細くなるため)、圧力が上がってしまいます。

 この場合は、活性酸素対策がまず大切です。βカロチン、ビタミンE、ビタミンCなどの抗酸化栄養素を多く摂取し、次にLDLの排出を促すレシチンや食物繊維ビタミンCを多く摂取することです。新鮮なタンパク質も必要になってきます。血管壁に傷があるようなとき(活性酸素対策ができてないとき)は、油っこいものは控えめに。加熱食用油はバージンエクストラのオリーブオイルに限ります。グレープシード油やキャノーラ油も酸化しにくいそうです。(食用油参照)


高血圧の原因_4 (ホモシステイン

 血管壁をキズつける活性酸素ですが、その発生原因にホモシステインが関係していることが最近の研究で判明しているようです。ホモシステインはメチオニンというアミノ酸がシステインというアミノ酸に変換するときの中間生成物のようなものです。組織、血液中のホモシステインは、そのホモシステインが酸化される過程で酸素ラジカル(活性酸素)を生みだしてしまいます。その結果、コレステロールの沈着や血小板の凝集による血栓などなどいろいろな悪さをしでかすようになるのです。活性酸素は病気のおよそ9割にも関係するものですから、その発生源が多くなっては良いことはなにもないわけです。ホモシステインの血液中の濃度は、基準値は男性で8.2〜16.9マイクロモル/L、女性では6.4〜12.2マイクロモル/Lとなっているようです。血液中の濃度は加齢とともに上昇してきてしまいます。基準値を超えていなけば安心というのではなく、たとえ基準値以内でも確実にホモシステインの酸化から活性酸素は発生しているわけで、徐々にしかも確実に活性酸素の害による動脈硬化などは進行していることになります。このため、血液中などのホモシステインの濃度はできるだけ低く抑えておくことは、健康維持のためにものすごく重要なことになります。

 この原理から判断しても、やはり活活性酸素対策はとても重要なことと思えます。

 ホモシステインの濃度が上昇してしまう原因には、余分なホモシステインを排泄する腎臓の機能が低下した場合や、もっと根本的な原因としては、葉酸、ビタミンB6、B12などの栄養素が不足してしまっている場合です。

 メチオニンからホモシステイン、さらにまた反対にホモシステインからメチオニンへの代謝ではビタミンB12+葉酸が必要です。ホモシステインからシステインへの代謝にはビタミンB6が必要です。これらの栄養素が不足するとホモシステインの濃度が上昇してしまう、ということになってしまうのです。

 ちなにみメチオニンは不可欠(必須)アミノ酸で、硫黄を含んだ含硫アミノ酸です。
 複雑な代謝を行いながら、メチル基の供与体として重要なアミノ酸です。
 システインはメチオニンとセリン(アミノ酸)から合成されるので必須アミノ酸ではないですが、金属イオンと結合(キレーション反応)して不溶性とし排泄に寄与します。さらに有毒な毒素とも結合して無害化、解毒という働きもあります。

 葉酸、ビタミンB6、B12などの栄養素が不足は、特に母胎の中で成長する赤ちゃんに深刻な影響が懸念されます。これらの栄養素はDNAの合成に関係していて細胞分裂の盛んなところに、その影響が顕著に現れてしまいます。さらにホモシステイン濃度の上昇による多くの活性酸素の発生も招いてしまうため、特に意識しておかなければならない栄養素であると思います。

 ホモシステイン ・ 葉酸について ・ 葉酸はまだまだ不足 ・ 女性は葉酸を摂らなければダメ を参照。

 とくに、葉酸は、壊れやすく、吸収しずらく、しかも体内では減少しやすい栄養素でもあるのです。
 諸外国の推奨量が400マイクログラム(以上)とされている現状のなか、日本だけは未だに(2003年現在)200マイクログラムのままです。。

 食材から摂取する葉酸は葉酸分子がいくつも結合しているため、そのままでは吸収できないため細かく消化しなければなりません。このため約1/3は吸収されずに排泄されてしまうようです。
 サプリメントの葉酸は、はじめから細かく分解されていますので吸収されやすいのが特長です。

 葉酸、ビタミンB6、B12などの栄養素をバランスよく、しかも確実に摂取することが大切かと思います。



二次性高血圧

  高血圧患者数全体の約1割をしめる二次性高血圧。
  ですが、35才以下高血圧の約4割がこの二次性高血圧です。
  生活習慣病としての高血圧ではなく、血圧の上昇を招く原因がはっきりと特定することができるものです。
  つまり、その原因を取り除けば、血圧は正常になるのです。
  若い人の場合、高血圧であると診断された場合には、生活習慣からきていること以外に、以下の“原因”の可能性もおおいに考慮すべきかと思います。治療法が全く違ってくるわけですから。。この場合は当然ながら降圧剤を服用しても血圧は低下しないことが多いです。

  糖尿病、頭痛、発汗、尿検査でタンパクやカリウムの数値に異常がある場合は、二次性高血圧を疑ってみる必要があるかと思います。


 原発性アルドステロン
  副腎にできた腺腫の影響でアルドステロンというホルモンが過剰に分泌されるために高血圧となる。

  アルドステロンは、副腎から放出されるホルモンで、血圧を制御する複雑な仕組みの一つ。
  アルドステロンは、腎臓の遠位尿細管というところでナトリウムを再吸収しカリウムを排泄するのを促進するのですが、ナトリウムの再吸収によって水分も再吸収され、その結果、血圧が上昇することになります。

  この治療は、腺腫を手術で取り除くことになります。

 突発性アルドステロン
  副腎は二つありますが、両方の副腎が腫れてアルドステロンが過剰に分泌されるために高血圧となる。

  この治療には手術で腺腫をとりのぞくことはできないため、薬物での治療になります。


 クッシング症候群(高コルチゾール血症)
  クッシング症候群はコルチゾールというホルモンの過剰生産、または糖質コルチコイド(コーチゾン様のホルモン類)の投与によって引き起こされる症候群です。
  クッシング症候群の原因の約15%が副腎の原発性腫瘍です。しかもそれはしばしば悪性(癌性)の場合があるとのこと。他の原因としては下垂体腫瘍や他の臓器(異所性クッシング症候群)による副腎皮質刺激ホルモンの分泌や、コルチコステロイド(慢性関節リウマチや喘息の治療によく用いられる)の長期使用などがあります。

 コルチゾールはストレスを受けたときなどに分泌され、血糖値の上昇や血圧の上昇、心臓の拍動の増加などの作用があります。交感神経や免疫機能とも密接な関係があります。

 副腎にできた腺腫の影響でコルチゾールとが過剰に分泌されるために高血圧となっている場合は腫瘍を手術で取り除くことにより血圧は正常になります。


 褐色細胞腫
  副腎にできた腺腫の影響でカテコールアミンというホルモンの分泌に影響してその結果、高血圧となる。

 カテコールアミンはアミノ酸である「チロシン」の誘導体です。生体アミンの総称で、主なカテコールアミンとしては、ドーパミン、ノルエピネフリン、エピネフリン(過去の表現ではアドレナリン)の3種が知られています。ドーパミンは神経伝達物質であり主に脳内に多くあります。腎臓・心臓・脳・腸間膜の血管床や交感神経終末部にはその受容体があります。
 ノルエピネフリンは、交感神経系の最も重要な神経伝達物質です。
 エピネフリンは、脳の神経伝達物質であると同時に、体内の主要なホルモンの1つでもあります。

 エピネフリンは、血糖値が下がったとき、運動をしたとき、そして様々なストレスを感じたときなどに、副腎の髄質から分泌されます(強いストレスを感じたときは、脳からエピネフリンが分泌されます)。
 エピネフリンにはまた、肝臓中のグリコーゲンを分解してグルコースに変える、脂肪組織からの脂肪酸の遊離を促す、筋組織の中の小動脈を拡張させる、心臓の拍動を力強く、速くする、といった働きがあります。

 ※ 副腎の腫瘍は年代別では成人が70%です。女性の場合の方がより多いようです。

 腎臓機能不全、腎血管性高血圧
  糖尿病や腎炎などで、腎臓がダメージをうけているときには、やはり血圧は上昇してしまうことがあります。
  腎血管性高血圧は、腎臓へ入る血管が狭くなることによって正常に腎臓が機能しない場合におきます。



高血圧の薬の作用

 血管の弾力が低くなってくると心臓が今までと同じ様に動いていたのでは、血液を押し出すときに一時的に圧力が高くなります。この状態は毛細血管に異常な圧力がかかることになるため危険です。このため心臓の動きをセーブして圧力が上がらない様にするものだそうです。また、ニトログリセリンは一酸化窒素(NO)によって固くなった血管の緊張をゆるめるものであり、一時的に血管が柔らかくなるため、血圧の上昇を押さえることができます。

 血圧は長年かけて徐々に上昇してきますので、薬で急激に血圧、つまり送り出す力を弱めたりすると、脳への血液供給量が低下してしまい、疲労感やけん怠感などに襲われたりといった症状が出ると言われています。

 コレステロール降下剤が処方されるときもコレステロールがたくさん捨てられることになり胆嚢にたまる量が多くなるため、胆石の心配がでてくるということです。さらに、コレステロール合成に働く酵素を阻害する薬剤が投与されるケースでは、細胞膜の原料不足を招き体中の細胞膜が弱くなりガン化しやすくなるという危険性もはらんでいるそうです。


高血圧に対して有効な栄養素

 ビタミンC、ビタミンE、オメガ3脂肪酸、レシチン、ビタミンB群(葉酸、ビタミンB6、B12など)、カリウム、カルシウム、マグネシウム、タンパク質などです。


ユビキノン(Co-Q-10=コエンザイムQ10)

 ユビキノンについては、糖分(細胞の中のミトコンドリアにあるATP)の代謝に働き、エネルギーを発生しやすくする(ATP+酸素-->エネルギー発生)働きと抗酸化物質として働く作用があります。このため、筋肉ばかりか体の中でエネルギーを必要とするところ(細胞のイオンポンプ作用、白血球、脳細胞など)すべてに対してエネルギーを得やすくするため、それらが元気になります。当然、血液中の糖分もより効率よく消費されるため血糖値に低下にもつながります。つまり、ユビキノンを摂取すると通常より多くの糖分が消費されます。糖分が足りなくなれば、筋肉に蓄えたグリコーゲンや脂肪細胞に蓄えた脂質を分解しエネルギー源とします。肝臓のタンパク質も分解されエネルギー源に利用されます。高血圧との直接な関係は今のところ良く分かりませんが、糖分の代謝が促進されることにより、余分な脂質が減る、あるいは細胞のイオンポンプ作用が活発になるなどの理由で、高血圧に貢献するのかもしれまん。

 カリウムもまたエネルギーの発生に働いていていますが、ユビキノンによりエネルギー発生の効率がよくなると、カリウムがあまり消費しないので、塩分過多が緩和され、高血圧にも効くのかも?夏ばてもビタミンB1不足とカリウム不足ですので、食品からですと肉とネギやニンニク、トマトジュースは多めに捕ってみたいですね。

 トマトジュースは一日に1L程飲むと、いろいろな良い面で良いことがあるはずです。



脂肪細胞

 脂肪細胞にはエネルギーの貯蔵庫として働く「白色脂肪細胞」と、低温時に熱を産生し体温を保つ働きのある「褐色脂肪細胞」があります。白色脂肪細胞(WAT)は、食事から得られた糖分のうち余ったブドウ糖を脂肪に作り変え、体中に蓄えられる働きがあります。褐色脂肪細胞(BAT)は、幼児期だけに多く、成人になると激減するといわれています。褐色脂肪細胞に蓄えられた脂肪は体温保持など熱源として利用されます。このとき、ふつうの細胞の基礎代謝の100倍もの産熱量があることが分かっています。

 褐色細胞は背中などに分布し余分なエネルギーを即刻熱に変えてしまう働きがあるそうです。成人でもこの褐色細胞が多い人や活発な人は、俗に言う「やせの大食い」と言われている人々です。

 白脂肪細胞は、胎児のとき(妊娠末期)、0才から2才くらい、13から15才(思春期)と、3つの時期に特徴的に増殖する時期があると言われています。最近の研究では成人になっても増える事があるということです(約1000億個が限度)。白脂肪細胞は、過剰なカロリーの摂取があった場合、脂肪としてひたすら蓄えどんどん肥大するため、これらの時期に脂肪細胞を増殖させてしまった場合、これが肥満の原因となるそうです。一度できてしまた白色脂肪細胞は、その数は減少しませんが、大きさは変化することができるようです。


 これらの脂肪細胞は、多くの生理活性物質(ホルモン)を分泌することが分かってきました。

 塩分過多による高血圧では、ナトリウムの他に「塩素」も多く摂取するこことになります。
 「塩化ナトリウム」はその39%が「ナトリウム」で、あとの61%が「塩素」です。

 脂肪細胞は、血圧を上げる働きがある「アンデオテンシノーゲン」というホルモンを放出しますが、これは塩素により活性化される性質があるようです。

 また、脂肪細胞は、アンデオテンシノーゲンの他に、レプチンTNF-αアディポネクチンPAI-1といった生理活性物質(ホルモン)を放出します。他に遊離脂肪酸も分泌します。

 脂肪細胞が増えすぎたり、大きくなりすぎたりしますと、まず、肥満として表れ、高血圧・糖尿病・高脂血症を促し、さらに動脈硬化を促進することになります。動脈硬化が進行すると心筋梗塞や脳卒中の危険大きくなってしまいます。


 レプチン

  レプチンは脂肪細胞に中性脂肪が溜まってくると分泌されます。主に食べ過ぎの時に分泌されることになります。
  レプチンは食欲中枢を刺激し食欲を抑えたり、エネルギー代謝の量を増やし肥満を防ぐ働きがあります。
  しかし脂肪細胞に中性脂肪が溜まり過ぎると今度はレプチンの分泌量が減ってしまうため、肥満防止という作用が減少してしまうことになります。


 TNF-α

  TNF-αはもともとは血液細胞から分泌され、腫瘍細胞があればそれを攻撃する働きが知られていたのですが、インスリンの働きを阻害するという、インスリン抵抗性の増加作用があります。
  このTNF-αは脂肪細胞からも分泌されています。
  つまり脂肪細胞が増えすぎた場合、糖尿病を促進してしまうことになります。


 アディポネクチン

  これが血中に適量あると、血管壁にアテロームなどが発生しにくくなり、動脈硬化を防ぐ働きがありますが、脂肪細胞が大きくなると、アディポネクチンの分泌量が減少してしまいます。
  このため、アテロームの発生が増えてしまうということが言えます。


 PAI-1

  出血を止めるため、血液を固まりやすくする働きがありますが、この分泌量が増えると「血栓」ができやすくなり心筋梗塞や脳梗塞の原因のひとつとなります。
  脂肪細胞が増えた場合にはPAI-1の分泌量が多くなり血栓ができやすくなると言えます。


 遊離脂肪酸

  脂肪細胞内の中性脂肪が分解されるときに産出されます。
  LDLの元となり高脂血症の原因となります。



DHEAレベル

 DHEAは、デヒドロエピアンドロステロンといい、副腎と性腺(精巣、卵巣)で作られ、多くの重要なホルモンを作り出すための前駆体物質です。からだのホルモンバランスを若く保つ働きにより、体の根源から老化を抑制するということが言えると思います。この血中濃度は、20才頃がピークとなり加齢とともに減少してきます。70才ではピーク時の20%、85才では5%ほどになってしまうようです。

 DHEAレベルが下がるから老化するのか、老化するからDHEAレベルが下がるのか、どちらにしろ、食品としてDHEAを多く含むものを摂取することが、老化に対抗する良い手段であることは間違いないようです。DHEAは、「若さの泉」とか「奇跡のホルモン」と呼ばれ栄養補助食品として多くの人々に利用されています。そして、ニキビができたということ以外、マイナス面は報告されていないようです。

 女性の場合、エストロゲン(女性ホルモン)だけを投与すると子宮に刺激が発生しガンの危険性もあるためプロゲストロン(黄体ホルモン)も用いなければならないのですが、DHEAはそれらホルモンの前駆体ですから、そういった心配も無いようです。男性の場合も「自信の快復」といったことが語られています。

 DHEAの注目すべき働きは、肥満を抑制し高血圧を防ぐ働きが高いということです。


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