ニラの利用について

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ニラ

 あの独特のニオイのニラ。そのニオイは、実は健康にとても良いのです。


冷え性対策として用いる方法

 ニラを一束、切らずにそのまま、皿の上において、ラップして電子レンジで2分くらい加熱するとできあがりです。

 ホントは電子レンジはあまりお勧めではないのですが、この場合栄養分を逃がさないと言う点に着目してよしとしましょう。 こうすると特殊な硫黄成分がそのままのこり、この成分がアドレナリンの分泌を促し、それが脂肪の燃焼促進を促して体温を上昇させるようです。当然ダイエットにも良いことになります。加熱後は切っても大丈夫ですので味付けして食べましょう。



ニラに含まれる栄養素

 ニラに含まれる栄養素で注目なのが“CSO”という物質であり、CSOは硫黄を一個もった硫黄化合物で、切るなどすると酵素によって硫黄を二つもったアリシンに変化する、と説明されています。

 ニンニクの場合ですが、硫化アリルの一種のアリイン、メチイン、イソアリインといった有機イオウ化合物(含硫アミノ酸)がアリイナーゼという酵素の働きで分解され様々な化学変化をしてニオイ成分のアリシンなどになります。生のままのニンニクが臭わないのは、アリインなどは「葉肉貯蔵細胞」というところに存在するが、酵素は「維管束鞘細胞」というところに別々に存在しているからです。切ったりすることによって、別々にあったアリインと酵素がはじめて出会うことによって辛みの成分でもあるアリシンなどが生成されます。

 ニラのCSOでも酵素によってできるものが“アリシン”という同じものです。
 もしかするとニラの“CSO”というのはニンニクなどに含まれるアリインやメチインなどと同じ物なのでしょうか?これの確認はまだ出来ていません。

 CSOの働きは、小腸で吸収されたて脳の視床下部まで到達しそこを刺激することによってアドレナリンの分泌を促します。
 アドレナリンの働きによって身体中の脂肪細胞に、脂肪を分解するように指令が行くため、脂肪がエネルギーとして使われます。このため体温を上昇させます。

 つまり、冷え性やダイエットにも良いことになります。

 このアリシンですが不安定な物質であり時間とともに変化してしまいます。次々と起こる化学反応によって様々なニオイ成分になりますが、代表的なにおい成分が、アリルスルフィドやビニルジチインと呼ばれる一群の「揮発性の有機イオウ化合物」です。

 アリシンはビタミンB1と結合すると“アリチアミン”という物質になります。これは脂溶性でビタミンB1よりも訳10倍も体内に吸収されやすい性質を持ちます。糖質を効率よくエネルギーに変えるためにはビタミンB1が必要ですがアリシンはビタミンB1分解酵素の作用を受けないためこの働きをさらに促進することができます。
ですが、アリシンがビタミンB1と結合することができるのは、ニラを切ってから10分以内です。10分を過ぎてしまうと、アリシンはビタミンB1と結合することは出来なくなってしまいます。

 アリシンをアリチアミンとして、疲労回復などに利用するときは、ニラを切ってから10分以内にビタミンB1が豊富な豚肉などを混ぜる必要があります。餃子を作るときは手早く豚肉と絡めるとよいですね。

 アリシンは、空気に触れることによって変化し続けて、15分もすると“ジスルフィド”という揮発成分が最大になります。さらに1時間も放置すると“トリスルフィド”に変化します。

 ジスルフィドとは、ジチオ基(-SS-)を持った化合物のことを言います。つまりこの場合は硫黄を二つもった硫黄化合物のことです。ジスルフィドには優れた殺菌作用があります。

 トリスルフィドはその名のとおり硫黄を3つもった硫黄化合物のことです。
 タマネギの辛み成分である硫黄化合物の硫化プロピルが酵素と反応してもトリスルフィドができます。
 トリスルフィドには血液中の血栓をできにくし血液サラサラ効果や中性脂肪およびコレステロール値をさせる働きがあると言われています。


ニラの食べ方のまとめ

 ニラの食べ方をまとめますと、以下のようになりますが、ネギやタマネギ、ニンニクくといった、硫黄化合物を含む食材は基本的には同様に考えても良いと思います。タマネギは、“健康・タマネギドレッシング”として、HPにも記載しておりますので、よろしければご覧になってみてください。

CSOを生かして、冷え性対策&ダイエット
 ニラは切らずに80度の熱を2分以上加えて酵素の働きを抑える。
 本来、電子レンジはお勧めしませんが、この場合は便利さを優勢することにします。
 電子レンジを使わないときは、充分に蒸すなどすると良いと思います。
 
アリチアミンの効果で、疲労回復
 細かく切ってから10分以内に豚肉とよく混ぜて調理する。
 できれば五分以内に仕上げると良いです。
 
シスルフィドの殺菌作用で風邪などの撃退
 細かく切ってから15分ほど置いて調理。70度程度の低温調理が良いようです。
 スープに入れるときは煮込まないで、最後に入れます。
 
トリスルフィドの血液サラサラ効果
 細かく切って1時間ほど放置してから調理。熱には強く料理には便利。
 



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