グルテンとセーリアック病

ヘルスリサーチレビュー
「健康と栄養の最新知識とその重要な役割についての情報提供月刊誌」
11月号Volume4, No.11より翻訳


セーリアック病とは

 セーリアック病(又はセーリアック スプルー、熱帯性下痢症)というのは慢性の栄養失調になる病気です。体内でグルテン(小麦粉に含まれる成分)に対して上手く体が対応できない時に起きる病気です。この症状に気が付かなかったり適切な処置が施されない場合には栄養失調という結果になります。一般的な兆候はお腹が張ったり、筋力が衰えたり、高脂肪を含む排泄等です。他には、腹の痛みや慢性の下痢、体重減、異臭排泄、低赤血球値、ガス、行動の変化、筋肉のつり、疲労、関節の痛みなどです。

 兆候は人により異なり、ある人は下痢や腹部の痛みを感じたり、又ある人はイライラや鬱ぎみになります。実際、関節の痛みは子供に良く表れる兆候です。また患っていてもこれらの兆候が表れない事が多いのも一般的なものです。小腸内で組織が破損を受けていなかったりした場合には兆候が現れませんが、依然としてセーリアック病からの合併症になる危険をはらんでいます。



グルテン

 グルテンとは穀類に含まれるタンパク質からなる構成成分で「グリアディン」と「グルテニン」という2つの種類に分かれます。「グリアディン」は腸に有害で、「セーリアック病」の人は避けなければいけません。「グリアディン」は4つの種類の穀類に含まれていおり、「セーリアック病」の人の小腸には有害です。小麦、ライ麦、オート麦、大麦の4種類です。小麦には内容はそれぞれで、小麦は最も多くの「グリアディン」を含みます。ライ麦には小麦と同等で大麦とオート麦は少な目です。



免疫反応

 小腸の内側には指のような形をした非常に細かい、ヒダ(柔突起)があり、その表面にいくつもの繊毛がありこの繊毛から食事からの栄養素を吸収して血液に取り込みます。セーリアック病の人がグルテンを含む食事をした場合、免疫系が小腸に害を及ぼされる事から反応します。このダメージから繊毛が損傷してしまい、食事の量に関係無く栄養の吸収がうまく出来ず、栄養失調という結果になります。セーリアック病に適切な処方をするのは難しく、理由はその症状が他の病気に類似してるからです。クローン病、潰瘍、大腸炎、憩質炎、小腸感染、慢性疲労、鬱といったものです。研究者が最近、発見した事はセーリアック病の人は平均より高い抗体を持っているという事です。抗体は体が有害と感じる物質に反応して免疫系によって生成されます。

 セーリック病か確認するには血液検査をして抗体の量を調べます。イタリアではセーリアック病は一般的で全ての子供は6歳までに調べられます。



追加情報

 セーリアック病の推薦できる米国政府ウエッブページは下記で見られます。
 http://www.niddk.nih.gov/health/digest/pubs/celiac/

 ※上記ページは英語ですので、英語が苦手な方は以下の翻訳サービスなどでご覧いただけるかと思います。
  (EXCITE様、翻訳サービスのページです。必ず “翻訳利用規約”をご覧になってからご利用ください。)
  http://www.excite.co.jp/world/ 

 このサイトでは次のような言葉が書いてあります。「セーリアック病の人はグルテンに体が対応出来ません。グルテンとは小麦、ライ麦、大麦、オーツ麦に含まれるタンパク質です」。研究者の中には、なぜアメリカではこの病気が一般的に知られてないのかと思ってる人もいます。それはヨーロッパで特有の遺伝的病気なのが理由ですが、ヨーロッパからアメリカへ移り住んでる人に発生してる事からです。血液検査によると、アメリカ人の250人に1人がこの病気との事です。消化器系で問題がある人は、この病気である事も考えられます。



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