どれだけ運動すれば充分?

〜この記事は、米国LPI社のヘルス・リサーチ・レビューを翻訳したもの抜粋です。〜


どれだけ運動すれば充分?

 もっとはっきり言うと、お知りになりたいのは、「どれだけ頻繁に運動すれば充分なのですか?」ということではないでしょうか。フィットネス専門家のジェイミー・ブレンカスによれば、短時間の運動をより頻繁に行なえば、それで充分なのだそうです。実際、彼は自信を持ってそう言える筈です。ジェイミー・ブレンカスは、アメリカン・カレッジ・オブ・スポーツ・メディスン(米国スポーツ医学大学)の公認健康フィットネス・インストラクターなのです。この資格を持っているということは、全米標準できちんと評価されたプロフェッショナルあるいは大学レベルのスポーツ・チーム・トレーナー、フィジカル・セラピスト、もしくは最高レベルの技術を持つフィットネス専門家である、ということを示しています。


 新しい研究も、彼の意見を支持しています。アメリカン・カレッジ・オブ・スポーツ・メディスンとセンターズ・フォア・ディジーズ・コントロール(疾病コントロール・センター連盟)では、80年代に作られた運動の各種スタンダードを見直しました。今では、1週間に3回も1時間の運動をしなければならないとは考えられていません。新しい研究でわかったのは、10分間の運動を1週間に数回行なうだけでも、心臓血管系に対して、同じくらいのよい効果がある、ということです。この場合の運動というのは単純なもの、たとえば、朝晩、それぞれ10分かけて、きびきびとウォーキングしたりエクササイズ用バイクに乗るだけでいいのです。また、運動の効果というのは積み上げていくことができる、ということもわかってきました。これは実にありがたいニュースです。運動のためにまとまった時間を割くことなど、大方の人には難しい話だからです。


 新しい研究でもうひとつわかったのは、コレステロール値を健康なレベルに保つには有酸素運動がいい、ということです。たとえば、1マイルを20分で歩く人も、同じ距離をその半分の時間で走る人と同じように、善玉コレステロールである高密度リポ蛋白群(HDL's)の値をいい状態にもっていくことができます。運動の効果は、少しでもいいから実行すれば、得られるのです。


 今日では、10分間ワークアウトこそ、運動の粋だと言ってもいいでしょう。どうしてでしょう?何よりも、実際にやる気が起きます。運動の効果は積み上げていくことができる、ということを思い出してください。考えてみましょう。もし、1回10分の運動を1週間に6回行なったとしたら、1週間に1時間分のボディ・コンディショニングをやり遂げたことになるのです。これは、大方の人の運動量より多い筈です。昼休みに10分間運動するのは、むずかしくないでしょう。階段を2〜3段昇り、駐車場を横切り、芝を刈る、といったことを足し合わせれば、それぐらいになるのではないでしょうか。


 「我々は、純粋な肉体への効果について語っているんです」ブレンカスは言います。「1週間に3度、30分の運動をするのと、10分の運動を9回するのと、どこも違うところはないんですよ。それに、9回というと多いように聞こえるかもしれませんが、月曜から金曜まで、朝晩1回ずつ、10分の運動をしたとしたら、それより回数が多くなるんです。賢い食事と良質のサプリメントと組み合わせれば、フィットネスなんて考えなくてもできますよ。」


 サンクスギビング・デーから元旦までの楽しい時期には、ウェストラインというありがたくない罰金が付いてきがちです。1年のうちですっきりした体でいるのがもっともむずかしいこの時期に対処するには、面倒がらずに、10分間の短い運動をできるだけ頻繁に行なってみてください。そうすれば、年末年始を、体調もよく楽しい気分で過ごすことができるでしょう。



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