緑 茶


1998.2.16

緑茶を錠剤に──お湯なしで手軽、がん予防も?

埼玉県が研究へ 

 「がんの予防に効果がある」との学説もある緑茶の成分を「錠剤」にする研究に、埼玉県立がんセンターと県茶業試験場が来年度から乗り出す。がん予防効果を確かめるため、臨床試験にも取り組む方針だ。緑茶の健康イメージを高めて、特産の狭山茶を売り込むねらいもある。

 緑茶に含まれるカテキンという物質に、がん予防効果があるといわれる。このため、県立がんセンターは1986年から8年間、県内のある町の住民約8500人を対象に、緑茶を飲む習慣とがんの関連を研究してきた。がんで亡くなった199人を男女別に調べたところ、毎日お茶を飲む量が湯飲み3杯以下の人の平均死亡年齢は男性が66歳、女性が68歳だった。これに対し、10杯以上では男性が70歳、女性が74歳。お茶を多く飲んでいた人の方が、長く生きる傾向があったという。

 こうした結果を受けて、埼玉県は、緑茶を大量に飲まなくても効果が出るように、緑茶のエキスを手軽に飲む方法を模索していた。カテキンの副作用についても研究した上で、飲み過ぎても副作用がない「錠剤」を目指す。


 お茶に含まれるポリフェノールは4種類。
  
エピカテキン(EC)
  
エピカテキンガラテ(ECG)
  
エピガロカテキン(ECG)
  
エピガロカテキンガレート(EGCG)
 この4種類を総称して“カテキン”と言います。最も抗酸化力の強いのがエピガロカテキンガレート(EGCG)であり、ビタミンEの200倍の抗酸化力を持つと言われています。


以下、埼玉県、いきがい大学・伊奈学園のHPより抜粋...。詳細は伊奈学園のHPをご覧ください。

 1987年、緑茶の主成分である(-)-エピガロカテキンガレート(EGCG)がマウスの皮膚発がんを予防することを世界で最初に発表され、その後、EGCGや緑茶カテキンの飲用は、動物実験で、十二指腸がん、胃がん、大腸がん、肝がん等の発症を予防することが明らかとなった。

 アメリカの研究者は、1991年、ニューヨークでのがん予防シンポジウムで、緑茶抽出物と紅茶抽出物の肺がん抑制効果について、日米の喫煙率・死亡率の違いと結びつけて、緑茶の飲用効果を報告。その後、EGCGまたは緑茶抽出物のがん抑制効果は、食道、膵臓、皮膚、乳腺、膀胱、前立腺等の臓器にも及ぶことが認められた。



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