虫歯の考察


虫歯について考えてみましょう。

 OPCは、オリゴメリックプロアンソシアニジンといって、お茶のカテキンとタンニンの間に位置する物質です。カテキンが単量体でカテキンが2〜3個ほど結合した物がOPCです。4個以上結合したものがタンニンとなります。

 OPCの効果は、抗酸化物質で活性酸素を掃除してくれるスカベンジャー効果が特筆ですが、その他にタンパク質の保護、修復作用が強いことも分かっています。このためOPCは牛乳などの結合しやすいタンパク質とは一緒に摂取しないほうが良いのです。

 詳しくはOPCの本をご覧になってみてください。歯垢(プラーク)との関係も記載があります。プラークは連鎖球菌と各種乳酸菌の固まりです。



 口に中の代表的な細菌では、

 Streptcocus salivariusとStreptcocus mitisさらにstreptcocus mutansが連鎖球菌であり、そのたたくさんの乳酸菌などが住んでいます。streptcocus mutansは歯の表面のエナメル質に唾液中のグリコプロテインの膜を介して強く付着することができ、こいつが食品中の糖分から水に溶けないグリカンを合成しこれに本来付着力の弱い乳酸菌が巣くってやがてプラークになります。

 プラーク中の乳酸菌が恐ろしく強い酸を出すためエナメル質も溶けてしまいます。一度できた損傷にはさらに乳酸菌が住み易くなるため、カリエス(虫歯)の進行は加速されます。

 虫歯にならない人がいますが、決して歯磨きが上手な訳ではなく、このstreptcocus mutansが少ないために、乳酸菌を持った歯垢ができずらく結果的に虫歯にならないのです。streptcocus mutansの存在比率は、歯が生えてくる時期に決まってしまい、一度できた細菌バランスは、なかなか変えることができないのです。親が虫歯になりやすいと言うことは、streptcocus mutansの存在比率が高いため、このバランスが子供に移ると、子供も虫歯になりやくなるようです。

 本題ですが、OPCはエナメル質の表面を覆う唾液の中のグリコプロテイン(これもタンパク質です)と結びつき易いため、たとえstreptcocus mutansがやってきてグリカンを合成しそこに住み着こうとしても、先にOPCがくっついているため、じゃまされうまくいかなくなります。この結果プラークができにくくなり乳酸菌も住み着けなくなるので虫歯にならなくなるということであると思います。

 OPCと似たような効果がお茶のカテキンでも言われていますが、これではstreptcocus mutansの殺菌効果とstreptcocus mutansが糖分からグリカンを生成する能力を阻害するからであるようです。しかしカテキンは不安定なためその効果はすぐに薄れてしまようです。カテキンではタンパク質との親和性が低いので、この意味でもOPCに軍配があがるようです。

 OPCはこんな効果もあったのですが、やはりOPCは活性酸素除去能力の方が特筆すべきです。ビタミンCとは「不滅の双子」と言われるほどであり、ビタミンCとの相乗効果のすぐれた抗酸化作用を利用するのを忘れる訳にはいきません。



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