高脂肪食と闘ってくれる抗酸化栄養素

〜この記事は、米国LPI社のヘルス・リサーチ・レビューを翻訳したもの抜粋です。〜


高脂肪食と闘ってくれる抗酸化栄養素

 たった1回の高脂肪食がどれだけのダメージを与えるかについて、複数の研究者が測定をしました。高脂肪食を食べると、その直後から6時間以上にわたって、当人が受けた肉体的・情緒的ストレスに応じて必要な血流を確保するために動脈の太さを自由に膨らますことがどれほどむずかしくなるか、明らかにしたのです。おそらく、すでに動脈を”詰まらせて”しまっている人たちが高脂肪食を摂った直後に心臓発作を起こすケースが多いのも、このせいだろう、と科学者たちは見ています。何故こんなことになるかといえば、いきなり多くの脂肪を摂ると、それが酸化の引きがねになるからではないのか、というのが、科学者たちの予想です。もとから体内にあって、心臓や血管の内側の層を形成している細胞にダメージを与え得る働きをする化学物質が、この酸化のせいで遊離してしまうのではないか、というのです。そこで、抗酸化剤を摂れば、このプロセスに対抗できるのではないか、という考えを含む仮説を発表したのです。



抗酸化栄養素は食事前に

 この理論をテストするにあたって、メリーランド大学の科学者たちは、まず、ボランティアたちの腕の動脈を測定し、その後、ハッシュブラウン、卵、チーズ、ソーセージなどを取り合わせた、全体として50グラムの脂肪を含む高脂肪食を食べてもらいました。けれども、食べる前に、よく知られた2種類の抗酸化剤、ビタミンE(800単位)とビタミンC(1,000ミリグラム)を飲んでもらったのです。食事の後、技術者たちは、再びボランティアたちの動脈を測定しました。するとこの時には、動脈には何のダメージも見つからなかりませんでした。2種類のビタミンが、心臓血管系の健康を無傷のまま保つのに役立ったのです。



効果を持続させるためのヒント

 「嬉しいのは、即座に深部まで届く体に良い生理学的効果が出るのを、我々が観察できた、ということです」この研究論文の共同執筆者のひとりであるゲイリー・プロトニックはそう述べています。研究者たちは、動脈にあらわれた反応を食後6時間にわたって測定し、その結果、摂取した2種類のビタミンは長時間にわたって効果を発揮し続ける、という事実も発見しました。「これほど目覚ましい効果があらわれるとは、驚きでした」ドクター・ロバート・ヴォーゲルはそう述べました。「抗酸化ビタミンの利用については、これまで賛否両論がありました。でも、抗酸化ビタミン2種類をたった1回飲んだだけで、この重大なプロセス(血管を硬くするプロセス)に対しどれほどの強力な影響をおよぼすか、この目で見たのですから。ふたりともほんとうに驚かされましたよ。」




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