ひとりごと_その2


 ホームページのテーマに欠かすことができない心臓病について基礎知識を得ようと先日、ある心臓病特集が組まれた本を買った。
 正確には家内に買ってもらった。

 とりあえず、フムフム、とページをめくって眺めていた...。

 難しいことはともかく、

 1つは、心臓病は即命にかかわる重大な病気である。ということと、

 次に、心臓病の多くは、心臓そのものでなく冠動脈といって、心臓自身へ血液を送る血管に何らかの不都合が起きることにより、心臓への酸素とエネルギー源などの供給が滞ることによる。

 ということがすぐにわかった。

 つまり、多くの場合、心臓病というのは、血液、血管の病気なのね?

 血管の病気といえば、思いつくのは、もちろん、活性酸素対策は一番に思い浮かぶ。次に、高血圧と、その原因となる、動脈硬化、はたまたコレステロールやカルシウムパラドックス。マグネシウム不足といったキーワードが浮かんでくる。

 心臓病になる危険な因子は、「冠危険因子」というそうな。

 この中で、「心臓病は食事で予防できるか」と書かれているところがあったので、早速読んでみた。そして驚いた。

 仮にも「食事療法」と書かれているからには、食事から得られるどんな栄養素がどんな働きで、「予防」に貢献するかを期待したのを、ことごとく裏切られた。

 出てきた栄養素は、なんと「食塩」だけである。コレステロールも栄養素とみれば、この二つだけである...。

 いまどき、素人だって他の栄養素はたくさん知っている。

 この中で、糖尿病の食療法というのが書かれていて、その治療の基本は、相変わらず、食事療法「エネルギー制限、とくに飲酒」と運動療法ということが示されていた。 

 さらに、「コレステロールを多く含む食品(卵、バター、ラード、マヨネーズ)を極力減らすことです。」とある。これは、少なくとも卵を極力減らということは、すでに大きな間違いであるということが判明しているというのに...。

 やはり、一度できてしまった常識は、こわい!

  心臓病特集の本の中に、

 「コレステロール値を下げて心臓病を防ぐ」というページがあった。

 コレステロール値の下げるも上げるも食生活の内容次第であり、そのポイントは、次の5点である。

と紹介されている。

 1・エネルギーはとり過ぎ、不足せず

 2・飽和脂肪酸のとりすぎはタブー

 3・コレステロールは一日300g以下に

 4・食物繊維は一日に25gを目標に

 5・一日の食塩は8g以下に

では、順に見てみることにする。

 1・エネルギーとりすぎは、多くの場合そのとおり。

 2・飽和脂肪酸のとりすぎはタブー

 この中で、飽和脂肪酸のとりすぎは確かに、LDL増加の要因である。

 リノール酸は「LDLコレステロールを減らす」「血栓の生成を予防する」「赤血球の流動性を高める」とある。 確かにそうである。が、しかしである..。


 この「リノール酸神話」はもはや過去のもので、今では、
過剰症のほうが問題視されている。とりすぎると、善玉のHDLまで低下してしまう。現在ではリノール酸のコレステロールを低下させる効果よりも、リノール酸が酸化してできる過酸化脂質が、肺ガンをはじめ、乳ガン、大腸ガン、前立腺ガン、すい臓ガンなどを促進してしまうという危険性のほうが重大である。また、リノール酸のとりずぎは、体内で作られるプロスタグランディンの種類にも悪影響を及ぼす。ということがわかってきたため、代わりに、α-リノレン酸というn-3系列の多価不飽和脂肪酸の摂取をすすめられるようになってきている。これはガンの発生を抑えるといった作用が確認されている。このあたりのことも同時に記載してほしかった。またEPAやDHAのコレステロール低下作用も記載されているが、これらの脂肪酸は非常に「酸化しやすい」という点も注意が必要なのである。


 3・コレステロールは一日300g以下に

 ここで言われることは、コレステロールを含むものは摂取を控えましょう。といことらしい。卵がコレステロールを多く含む食品のトップにランクされ、いかにも卵を食べるな、と言っているようだ。しかし、人間は卵をたくさん食べてもコレステロール値は上昇しない、というれっきとした事実がある。なんで今でも卵はコレステロール値を上昇される、みたいな言い方がされているのか?はなはだ疑問である。ロシアのアチニコフのウサギを使った、まちがった実験の結果が今でも「常識」として定着しているのである。卵は良質なタンパク源であり、またレシチンや貴重な含硫アミノ酸が含まれている。摂取しないと逆に体に悪そうである。レシチン(ホスファチジルコリン)はHDLの中にたくさん含まれコレステロールを肝臓まで運こび、さらに胆汁酸として排泄するといった働きがある。ただし、コレステロールの生産調整ができない症状の人の場合はコレステロールの摂取制限は必要。


 4・食物繊維は一日に25gを目標に

 ここでは、食物繊維にはLDLを減少させ、HDLを増加させ、また、コレステロールそのものを体外に排泄する作用がある。と言われている。ほんとだろうか? 食物繊維は大切な栄養素であることに間違いはない。 コレステロールは胆汁酸となり、一度排泄されるが、脂質と一緒にミセルダンゴとなって、小腸から再吸収されるという働きがある。ミセルダンゴの再吸収を防ぐと言う意味では、水溶性食物繊維は有効な働きをする。これだけである。LDLは減るが、決してHDLを増やしたりはしないのである。HDLを増やすという意味では、ビタミンCを毎食後に約1000mgほどづつ摂取。適度な飲酒、適度な運動、糖尿病でない場合にナイアシンの大量摂取(2000〜3000mg)、であると思う。
 ナイアシンの大量摂取については、必要な方は医師の指導のもと適切な管理化において実施する必要があるのは言うまでもありませんね。

 食物繊維は腸内環境維持に非常に大切です。腸内環境が改善されれば腸管免疫機能も正常に働き、様々な効果となって表れることでしょう。不要な活性酸素の発生も防止できるようです。


 5・一日の食塩は8g以下に

 相変わらず、このような事しか言われていない。どうも違うようである。

 この場合は高血圧の予防であるから、カリウムを多く摂取することを考ることであり、かつ、良質タンパク質、カルシウム、マグネシウムを積極的に摂取すること、となると思われる。塩分が高血圧を招くというのは、ナトリウムは水分を保持させる働きがあり、その結果体液の量が増え、血管を通る血液の量が増えるから血圧が上がるという考えの様である。この原因による高血圧患者は全体の1〜2%ほどしかないということが言われているのに。ひたすら減塩に励むと逆に大切なナトリウムが不足してよけい体に悪い。何事もほどほどに、ということか。

 ここで言っている“食塩”とは精製塩(一般的な食卓塩)のことであり、「けんこう通信」では精製された食塩や砂糖は決してお勧めはしておりません。良質なミネラル塩をご希望の方は参考製品をお知らせいたします。お気軽にメールください。

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