カルシウムについて、その2 |
カルシウム補給には一般には牛乳、チーズなどが良いと言われています。実際、多くの文献や世間の常識としてこの話は広く受け入れています。でも、必ずしも牛乳などが最適であるとする意見ばかりではないのです。最近の栄養学などにより、牛乳のマイナス面が徐々に唱えられてきています。子供に牛乳を与えるのが本当に良いのかどうかは、近い将来きっと答えが出されることと思いますが、それを待たずとも、最近の栄養学に詳しい多くの先進的な医学博士がはっきりと意見を述べています。 「牛乳は牛の赤ちゃん用の飲み物であり、成長期間の全く異なる人の子に与えるのは、控えるべきである」と。まして、一般の消費者が飲むことができる「牛乳」は加工されたものであり、なおさら偏った栄養状態の飲みものになっているとも判断できます。
以下に可食部100gあたりのカルシウム含有量の一例を示します。吸収率は無視してあります。文献によりかなりの開きがあるようですので、この数値が正しいとはかぎりません。注意する点は、カルシウムが多いからカルシウムが多く吸収されそれがそのまま有効に体の中で利用されるのか?、という点です。
この中で特に推奨できるのが、ひじきなどの海草類です。海草はカルシウムの含有量が多く、またその吸収率が抜群にいいとうことです。海草のカルシウムは約7種類のアミノ酸と結合した形であるため、このアミノ酸が吸収率を上げる働きがあると言われています。ここでいう吸収率とは、たんに体の中に吸収されるだけではなく、実際に利用されやすいという重要な意味があります。牛乳も体内にとりこまれる吸収率は良いと思いますが、吸収されたあと、血中濃度の許容範囲を超えた分はすぐに排出されてしまうのです。このときにカルシウムばかりか他のミネラル分も一緒に排出されてしまうといった、こまった現象もあるようです。
煮干しもカルシウム含有量は多いですが、煮干しは酸化防止剤であるブチル・ヒドロキシ・アニソール(BHA)を添加して煮込んであるのが普通であるらしく、これが発ガン物質として作用する有害物質であるため、これら有害物質により血液が酸性となるため、それを中和すべくカルシウムが消費されてしまうということになり、煮干しもあまり好ましく無いようです。
カルシウム補給源で牡蠣殻や動物の骨を原料にしたサプリメントが出回っておりますが、カナダの研究機関の調査では、殆どのサプリメントでは鉛やカドミウムなどにより無視できない深刻な重金属汚染が問題となっているとのことです。低学年のお子さんで、勉強に打ち込めないとか、記憶力が明らかに鈍っていたりする場合は、普通の子供にくらべ、鉛やカドミウムの汚染が進んでいるという研究結果もあるようです。毛髪分析をすると簡単にわかるそうです。
もし、重金属汚染が発見された場合は、含硫アミノ酸(シスチンとメチオニン)によるキレーション反応により排除することができるようです。水俣病やイタイイタイ病などの場合はEDTA(エチレン・ジアミンテトラ酢酸)と言われる合成アミノ酸を静脈注射により注入することにより1回に約1/10づつ排除することができるようです。 含硫アミノ酸は、ごまやアジ、いわし、しらす干し、大豆、卵黄などに含まれているようです。 有害ミネラルを排除する働きのある含硫アミノ酸を含むサプリメントもあります。
カルシウムを多く摂取すべき年代は25〜30才くらいまでで、それ以降は特にマグネシウムとのバランスを考えて摂取しなければならないそうです。40才以降のカルシウムのみの摂取は高血圧や心臓病の心配がでてくると言われています。
カルシウムは酸性化した血液を中和し、弱アルカリ性に保つ事の出来る重要なミネラルです。血液を酸性化させてしまう原因が有害物質の摂取と砂糖などの取りすぎによるところが大きいそうです。 砂糖の大量摂取によって、処理できない糖分が乳酸となりその酸性を中和すべく、カルシウムが多く使われます。すると、血液中のカルシウムイオンが常に不足傾向となり、カルシウムの大切な働きである細胞間の信号伝達に支障が生じてきます。つまり脳細胞の働きに異常がでてくることになります。 砂糖は昭和34年以降の消費量が増大してしまっていて、最近では清涼飲料水の大量消費に伴って大量の砂糖が、特に若い人を中心に多く消費されているようです。こんなことを続けると深刻なカルシウム不足状態となり、エンセファロバチア症候群のような症状が若い人に多く見られるとのことです。つまり、道徳心の低下、いらいら、非行などなど精神的に不安定な状態、行動が多くなっている、ということです。最近のニュースを見て若い世代の起こす事件は「何かおかしい」と感じる方も多いと思いますが、この一因となっているのが、砂糖の大量摂取とカルシウム不足がその要因の大きな一つではないでしょうか? キレる、を参照
カルシウムの吸収を助けるものに良質の蛋白質があります。特に牛乳の蛋白質の約80%をしめるカゼインが消化されるときに生ずるカゼインホスホペプチド(CPP)がありますが、蛋白質の取りすぎは逆に排除される量もふえてしまいます。そのほか、ビタミンD(活性型ビタミンD)もカルシウムの吸収を助けるとして有名です。ビタミンDはまた骨のカルシウム減少をもたらす副甲状腺ホルモンの分泌を抑える働きもあります。日光(紫外線)により皮膚で合成され肝臓に蓄えられます。さけ、かれい、あんきも、ニシン、むつ、ウナギ、かじき、いさき、ニジマスなどには、かなり多く含まれていて、通常一食分で成人必要量の6倍から10倍もの量が含まれます。カルシウムの吸収を阻害する物質に、ほうれん草に含まれるシュウ酸、豆腐や玄米の皮に含まれるフィチン酸、食物繊維などがあります。 けんこう通信トップへ |