ガンのワクチン
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1999年11月発表 TV番組から得られた内容抜粋 抗原提示細胞は侵入したウイルスに特殊な細胞を付着させる働きがある。 抗原提示細胞によって目印がつけられた異常な細胞を非自己細胞といい、目印がついていない正常な細胞を自己細胞という ガン細胞はもともと体内にあった健康な細胞がガン細胞に変化したものであるため、抗原提示細胞はガン細胞を非自己細胞でなく自己細胞だと誤認してしまい、目印を付けることが難しいのである。この結果、NK細胞はガン細胞を攻撃対象とは判断できないということになってしまう。このため、免疫療法が必ずしもガンに対して有効である、とは言えない理由になってる。 また、ガン細胞は抗原提示細胞の働きを抑えてしまう免疫抑制物質を出すこともある。このため、抗原提示細胞はよけい、ガン細胞を見つけられないと言う状況になってしまう。 樹状細胞はウイルスに目印をつける抗原提示細胞の一種であり、異物の認知、NK細胞への指令伝達能力においてすぐれた働きをする。樹状細胞はガン細胞を抗原として認識させるのに、非常に重要なのである。 ガン細胞と樹状細胞の細胞膜を溶かし、試験管の中で一緒に培養し互いに融合させた。この結果、ガン細胞と樹状細胞の核が一つに融合し、ガン細胞特有のタンパク質を認知できる新しい抗原提示細胞を作ることができた。この新しい融合細胞こそが、ガンワクチンの正体なのである。 この新しい抗原提示細胞を元の患者の体内にもどすことにより、NK細胞を強く活性化させ、全身のガン細胞の居場所を察知・攻撃させることができるのである。 現在(2000年2月)、この新しいガンワクチンは、ガンの治療と予防の臨床研究の準備を進めている段階である。
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